魔王と花嫁

 スレイン王国の王女セレスティは戦争に負けた祖国のために、長い間戦争をしてきたラティニア皇国の皇帝に嫁ぐことになる。ラティニア皇国は世界でゆいいつ魔法の力を残した国で、周辺諸国から悪魔の国と忌まれていた。皇帝はその中でももっとも強く力を残した魔王として、特に恐れられていた。

 スレインはいまだラティニアへの憎悪をなくしてはおらず、いつかはふたたび戦争を起こすつもりだった。祖国できらわれていたセレスティは、祖国に見捨てられることになってしまう。

 しかもラティニアにセレスティはゆいいつかわいがってくれた兄と父を奪われる。そうは思いつつも祖国に居場所のなかったセレスティはたった一人の供である侍女アニスをつれてラティニアに行くことを決意した。

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